南座  十月大歌舞伎の寸描

法然上人の没後800年の大遠忌を記念し、人間国宝の坂田藤十郎が法然上人を演じる新作歌舞伎。この日は開演に先立って坂田藤十郎の挨拶がありました。まずは歌舞伎18番「矢の根」、主人公は曾我五郎、日本三大仇討ちのひとつ(他は赤穂浪士と荒木又右衛門)。弟・五郎を演ずる中村橋之助は稽古中に矢が折れるというハプニングがあり父・中村芝翫の先日の死を予感したそうです。主役の荒事芸もさることながら、後見役の巧みな働きが印象に残る舞台でした。ついで「墨染念仏聖法然上人譚」、源平の合戦で平敦盛を守るために息子の首を身代わりに討った(脚色)悲劇の武将・熊谷直実が法然の教えによって救われるという内容。暗い舞台に何本もの柱を立て僧侶姿の役者の動きや波打たせる巨大な布で海を表現するなど、空中に金色に輝く阿弥陀如来立象の演出とともに雰囲気を盛り上げています。意外に宗教臭が濃くないのもいい感じ。最後は「連獅子」、親獅子が仔獅子を鍛えるために千尋の谷に突き落とし,駆け登ってきた仔獅子とともに勇壮に舞うという舞踊。黒塗りの竿の先に針金(差し金)をつけて蝶(チョウ)を操る黒衣の動きは、世間で言うところの“陰で人をそそのかし操る”「差し金」の語源となっているのも興味深いですね。  

 法然上人役の坂田藤十郎と阿弥陀如来立象(プログラムより転載)

南座の正面看板 (平成23年10月26日まで)

sakuragai6 の紹介

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