珍しい分水石  ~二題

分水石は、かって田畑の水争いなどをなくすために水流や水量を人為的に調整し水を分配していたものです。具体的には石の表面に特定の長さの溝を堀って川底に配し、その長さが、下流の川幅となります。水路は今では殆どが暗渠となって、水を引く農家も少なくなっていますが、村人たちが設けた過去の貴重な生活の知恵です。

① 竜安寺  鏡容池の南側に分水石が2個、水面から顔を覗かせています。昔はこのあたりから農業用水として、池の水を分配していた名残なのです。池の水が干上がった時でないと、川底の状態は分かりにくいですが、2~3枚目の写真をご参照ください。世界遺産のお寺の池にも意外性の歴史が秘められているようですね。

竜安寺の鏡容池の分水石 (左の石には亀たちが平和に甲羅を干している)

② 山科区小山小川町  音羽山への登り口、つい見過ごしがちな水路の川底に分水石があります。江戸初期に音羽川からの用水を下流に分配する際に、田畑の面積にあわせて水量を分けるために村人が設けたそうです。下流にあった1個は近くの「京の田舎民具資料館」の駐車場の東側に陸揚げされた形で置かれています。

二つに分かれる川幅を決める石 (山科区にみられる分水石)

音羽川の下流にあったもうひとつの分水石(陸揚げされたもの)

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珍しい分水石  ~二題 への2件のコメント

  1. ぽん より:

    言われなければまったく解りませんね。
    よく調べて見ておられるなぁと感心します。
    以前、仕事で柏原の分水嶺を見ましたが、分水嶺でさえ水が分かれているというのがもう一つピンときませんでした。いやはや。

  2. sakuragai6 より:

    ぽん様
    お褒め頂いて恐縮です。竜安寺は「みくまり石」と呼んでいますが「ぶんすい石」で良いのではと思います。余談ですが不要になった分水石を譲り受けて、屋外の駐車場に展示している京の田舎民具資料館が、なかなか楽しい内容なのです。昔の仕事と暮らしの道具が3000~4000点ぐらいはありましょうか、食べ物の道具や農具をはじめ生活の知恵が詰まったものを、元小学校長が個人的に集めたものです。京町家にぴったりのものや、家庭の分水器までありましたよ。

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