仏像のニックネーム  六体

仏像の通称や愛称は外観の部分的な特徴をとらえたものより、由緒や伝説からくるものが多いようです。

① うなずきの阿弥陀 (真如堂)  

 慈覚大師円仁(作者)が「修行者をお護りください」と祈ると首を横に振り「衆生、とくに女性をお救いください」と祈ると頷いたという伝説。

<九品来迎の阿弥陀像では最古のもの>

② 見返り阿弥陀 (永観堂)

 日課の念仏に励む永観律師の前に現れた阿弥陀如来が、振り返り「永観おそし」と言葉を発せられたというお馴染みのエピソードです。

<顔を左後方に向けた慈悲の顔>

③ 証拠の阿弥陀 (勝林院、大原)

 天台座主・顕真と法然上人が浄土教について論じた「大原問答」の時に法然上人の論にうなずいて光明を放ったという。 現在京都国立博物館で開催中の「法然上人絵伝」にも登場しています(会期は平成23年5月8日まで)。                                 

   

<俳優の中井貴一に似た美男の仏像です>

④ 身代わり丈六さん (戒光寺、泉涌寺の塔頭)

  後水尾天皇が即位争いに巻き込まれ暗殺者に寝首を狙われた時に、身代わりに立たれたという説話

<首もとには血が流れたような跡>

⑤ 霧がくれの弥陀 (願行寺、宇治市木幡)

  夢のお告げで総代の世話役が飛鳥に赴き、白髪の老人から背負った仏像を受け取ると、霧がにわかに立ちこめて晴れると老人の姿が消えていた。

<スマートな体躯>

⑥ 負別阿弥陀 (おいわけあみだ、 蓮光寺、下京区富小路通り六条上る)

仏師・快慶が奥州の僧・覚明の求めにより彫った仏像が会心の作で、手放すにしのびず、もう一度だけ拝みたいと僧の後を追って山科の追分で笈を開くと、紫雲がたなびき、仏像は二体に分かれ、僧と快慶は一体づつ背負って東西に別れたという。なお分身は仙台市泉区の祠に祀られているそうですが、この度の東北・関東大震災の影響が及んでいるようで心配です。

負別阿弥陀の分身のひとつ

(写真は蓮光寺さんのホームページよりお借しました)。

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仏像のニックネーム  六体 への2件のコメント

  1. ヘルブラウ より:

    このニックネームの阿弥陀様たちの中で永観堂の見返り阿弥陀様は知っていましたが、こんなに多くのユニークな阿弥陀様がおられるのですねぇ~、当時の仏師の粋な心意気が伝わってきそうです。

  2. sakuragai6 より:

    ヘルブラウ様
    京都には通称寺と言って通称名で呼ばれている、お寺が
    約40カ寺あります。この中にも本尊の仏像のニックネーム
    が、そのまま通称名になっているものが、いくつかあります。
    例えばこぬか薬師(薬師院)や蛸薬師(永福寺)などで、
    ややマイナーなお寺ですが、由来にはなかなか面白い
    エピソードがあります。

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